SBI生命保険株式会社 様

短期間で必須機能を実現した対応力が

導入の決め手に

短期間で必須機能を実現した対応力が
導入の決め手に
企業名 SBI生命保険株式会社
業種 生命保険業
従業員数 107名(2025年3月31日時点)
導入範囲 個人生命保険・団体信用生命保険システム全般
期間 2022年3月11日~

金融機関のシステムテストに不可欠な機能を、アミフィアブルが短期間で実装してくれたことが、導入の大きな決め手でした。 現在は、リグレッションテストの基準や判定ルールを標準化し、複数ベンダーが関わる開発でも品質を揺るがせることなく、本番リスクを大幅に低減しています。 今後は、結合テストやステージング環境への適応や、CI/CD(※1)への組み込みを進め、最終的には開発者が意図しないうちにテストが完了しているような状態をゴールにしています。
※1:ソースコードの変更を自動で検知・テストし、検証したソースコードを自動で本番環境にリリースするソフトウェア開発の自動化手法

導入の決め手
アミフィアブル の対応力
テスト工数
リグレッション テスト 15~25%削減
品質向上
テスト基準を 統一、安定化
ベンダー間で異なっていた設計書とテスト基準を統一させて安定化

導入の背景

導入前の課題

  • システム開発におけるテスト工程は労働集約的であり、帳票や画面レイアウトを人手で逐一確認せざるを得ず、担当者への負担が極めて大きかった。
  • 帳票や画面キャプチャをExcelに貼付する等の慣行が続き、膨大な工数を費やしていた。
  • 少子高齢化による人材確保の困難化を背景に、人海戦術に依存する従来の体制では持続性に限界があると認識していた。
  • ベンダーごとに設計書の形式やテスト基準が異なり、リグレッションテストの品質が安定せず、不具合が本番環境にまで波及するリスクを抱えていた。

選定のポイント

  • 帳票比較や設計書からの自動テスト生成など、金融機関において必須となる機能を短期間で実装できた点を高く評価し、導入の決定打となった。
  • リグレッションテストの基準および判定ルールを標準化することで、品質の揺らぎを抑制し、本番リスクを大幅に低減できると判断した。
  • システム部門の管理にとどまらず、企業全体の成長戦略を支える基盤づくりに資する取り組みであると確信している。

導入効果

定量

  • リグレッションテスト工数を15〜25%削減:開発の下流工程に集中していた負荷を軽減し、リリースサイクル短縮とコスト削減に直結。
  • 形式的作業の撤廃:Excel貼付等の生産性に寄与しない作業を排除し、投下リソースを最適化。

定性

  • 品質基準の標準化:ベンダー間で異なっていた設計書・リグレッションテストの基準を統一し、品質のばらつきを抑制。結果として本番障害リスクを低減し、経営的な安心感を確保。
  • ROIの向上:単なるコスト削減にとどまらず、IT投資全体の費用対効果を高める基盤を構築。
  • 持続可能な人材戦略:労働集約的な単純作業を削減し、少子高齢化下でも持続可能な体制を実現。人的資源を戦略領域へ再配置可能に。
  • レジリエンスの強化:テストプロセスを標準化・自動化することで、将来的な組織変動や外部環境変化に左右されにくい体制を確立。
  • 成長戦略への貢献:今後は結合テストやステージング環境、最終的にはCI/CDへの展開を通じ、開発スピードと品質を両立。新商品の市場投入力を強化し、事業成長を支える基盤となる。

お客様の声

“やりたくない作業”は機械に任せ、人を戦略領域へ
― SBI生命の自動化戦略

SBI生命保険株式会社では、従来は帳票や画面を目視で照合し、スクリーンショットをExcelに貼り付ける等の労働集約的なテスト工程が課題でした。Esplat導入により設計書ドリブンの自動化を実現し、工数削減・品質底上げ・人員の戦略的再配置を進めています。

お話を伺った方

池山 徹
池山 徹 様

SBI生命保険株式会社

取締役兼執行役員

狩野 泰隆
狩野 泰隆 様

SBI生命保険株式会社

情報システム部 部長

※本欄に記載の役職員の方の所属・役職などは原稿作成当時のものです。現在、異動や変更となっている場合がございます。

担当業務や役割を簡単に教えてください。

池山様(取締役兼執行役員 情報システム部管掌): 私は現在、情報システム部門を統括し、当社の基幹システム全体を所管しております。事業の柱は個人生命保険と団体生命保険の二本立てであり、いずれも高度かつ堅牢なシステムを抜きにしては成立しません。個人生命保険においては主にWebチャネルを通じてお客様へ商品をお届けし、もう一方の団体生命保険では住宅ローンに付帯する団体信用生命保険を中心に、全国の金融機関と百件を超える規模で緊密な連携を築いております。事業の根幹をシステムで支えることが我々の責務です。
これまで私は常に、「スピードと品質をいかに両立させるか」という命題に向き合ってまいりました。生命保険事業は社会的責任が極めて大きい一方で、市場環境の変化に即応する俊敏さも欠かせません。さらに近年は、AIや生成技術といった新たな潮流にも積極的に挑戦する姿勢が求められています。そのためには、既存業務の効率化を徹底し、戦略的領域へ人材を再配置できる体制を築くことが不可欠です。
私の役割は単なるシステム部門の管理にとどまらず、企業全体の成長戦略を下支えする基盤を築き上げることにあります。システムは道具であると同時に、未来を切り拓く力です。その力を最大限に引き出すことが、私に課された使命だと考えております。

日々の開発やテストにおいて、どのような問題意識をお持ちでしたか?

池山様: システム開発の最終工程の約3分の1を占めるテストは、完全に労働集約的でした。帳票や画面のレイアウトを人手で逐一確認し、わずかな文字変更でもページ送りが崩れていないかまで目視でチェックする必要があったのです。こうした作業は“砂を噛むような”感覚で、担当者にとって負担が大きく、やりがいを見いだしにくいものでした。さらに少子高齢化により人材確保がますます困難になる中、いつまでも人海戦術に頼る体制は持続不可能であると痛感していました。

狩野様(情報システム部 部長): さらに深刻だったのは、ベンダーごとに設計書の形式やテストの基準がバラバラであったことです。その結果、リグレッションテストの品質が安定せず、不具合が本番にまで漏れるリスクを抱えていました。加えて、帳票や画面キャプチャをExcelに貼り付ける作業等も慣習化しており、膨大な工数を費やしているにもかかわらず、実際には誰も有効に活用しない“形式的な成果物”に留まっていました。こうした状況を踏まえ、効率化と品質向上を同時に実現できる仕組みが強く求められていたのです。

Esplatを検討された背景について教えてください。

池山様: 当初、Esplatの話を聞いたときは、正直“当社には不要だ、Seleniumで十分だ”と思いました。しかし必要な要件を伝えたところ、帳票比較や設計書からの自動テスト生成といった、金融機関との取引に必須となる機能を短期間で揃えてくれたのです。そのスピード感と実用性を目の当たりにし、これは十分に検討に値すると確信しました。

インタビュー画像

狩野様: 従来は、画面キャプチャを大量に貼り付ける等、工数ばかりかかる作業に追われていました。Esplatであれば設計書を基にテストケースを直接生成でき、形式的な作業から解放されると感じました。無駄を省き、本当に重要な検証に集中できるという点で、大きな期待を寄せています。

導入時のリスク管理や投資判断はどうされましたか。

池山様: 導入当初はリスクが大きいと考えていました。他社での事例も少なく、本当に活用できるのか確信を持てなかったためです。そのためまずはPoC(概念実証)としてスモールスタートの形で段階的に効果を確認しました。

狩野様: 従来のテストでは『件数をこなすこと』が目的化しており、例えば“20%以上のバグを検出しなければ次工程に進めない”といった慣習すら残っていました。Esplatはそうした“数合わせのアリバイ作り”を排除し、品質向上そのものに注力できる。この考え方が、導入を後押しする大きな要因となりました。

導入後の成果についてお聞かせください。

池山様: Esplat導入後は、帳票や画面の照合がすべて自動化され、人手による確認は異常検知部分のみに限定されました。結果はダッシュボードで即時に可視化され、エラーとなった赤い部分を確認すればよい仕組みによって、従来のようにスクリーンショットを延々と並べる非効率な成果物作成から解放されたのです。その結果、全体の工数は大幅に削減され、心理的にも“避けたい作業”が減ったことで、現場のモチベーション向上にもつながりました。

狩野様: 大きな効果のひとつは、ベンダーごとに異なっていたリグレッションテストの基準を統一できたことです。その結果、品質のばらつきが抑制され、本番環境での不具合リスクも軽減されました。さらに、設計書の不整合が浮き彫りになるケースもあり、システムとドキュメントの両面において精度が向上しました。

今後の活用についての展望をお聞かせください。

狩野様: これまでEsplatは主にリグレッションテストで活用してきましたが、今後は結合テストやステージング環境への実行と適用範囲を拡大したいと考えています。最終的にはCI/CDに組み込み、開発者が意識することなくテストが自動で完了する体制を構築することが目標です。これにより、新商品のリリーススピードを一段と高め、競争優位性の強化につなげていきたいと考えています。

木村(アミフィアブル AIビジネスセンター センター長): 当社としても、ベンダーがより早期の工程から活用できるよう働きかけています。要件定義や設計段階から品質を底上げできれば、その後の検証工程は大幅に効率化され、開発プロセス全体の生産性が向上します。Esplatを単なる自動化ツールではなく、開発基盤そのものへと進化させていくことが、今後の重要な取り組みだと捉えています。

森(アミフィアブル 開発部 部長): ご期待に沿えるよう、Esplatの機能拡張を進めていきます。今後にも期待してください。

最後に、他社の経営層に向けてメッセージをお願いします。

池山様: システム開発におけるテストは、多くの企業で依然として“コストセンター”と見なされています。しかしEsplatを導入したことで、効率化のみならず、品質の標準化や人材の有効活用といった経営的価値を得ることができました。人手に依存する体制はもはや持続できず、早期から自動化に取り組むことこそが競争力の源泉となります。まずは小規模に試行し、その成果を段階的に拡大していくことを強くお勧めいたします。

重松(アミフィアブル 取締役): Esplatは単なるツールではなく、テストマネジメント全体を効率化し、IT投資のROIを高めるための仕組みです。品質を犠牲にせず生産性を引き上げる点にこそ大きな意義があり、経営層にとっては“守りと攻め”を同時に実現する戦略的な武器となり得ます。

インタビュー画像

写真左から:
SBI生命保険株式会社 情報システム部 部長 狩野 泰隆 様
アミフィアブル株式会社 AIビジネスセンター センター長 木村 栄太郎
アミフィアブル株式会社 AIビジネスセンター 黒木 美絵
SBI生命保険株式会社 取締役兼執行役員 池山 徹 様
アミフィアブル株式会社 開発部 部長 森 裕一
アミフィアブル株式会社 取締役 重松 論

企業名 SBI生命保険株式会社
業種 生命保険業
従業員数 107名(2025年3月31日時点)
導入範囲 個人生命保険・団体信用生命保険システム全般
期間 2022年3月11日~

CONTACT